2018年5月27日 (日)

こいに綾あつて娘の細作リ

こいに綾あつて娘の細作リ

「綾」は、微妙なニュアンス、裏表。
「細作り」はからだが細くきゃしゃなこと。刺身の糸造りの意もあります。
恋煩いの娘が痩せたことを鯉の刺身の糸造りと掛けています。   

  

舩軍首をとつても河岸をかへ

この句わかりませんでした。
「舩軍」は、ふないくさ。
「河岸をかえる」は、場所をかえる、飲食したり遊んだりする場所をかえる、相手をかえる意。
「首」には遊女や茶屋女、美人の意もあります。
船戦なら首級をあげれば移動しますが、遊興の場ではそこの女性にもてたら見世を変えることはないというのでしょうか。
すっきりしません。この句は宿題です。   

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2018年5月25日 (金)

折鶴の玉子斗は四角也

折鶴の玉子斗は四角也

「斗」は、ばかり。
折り紙。   

  

旅日記袖から筆をとり始メ

袖は「袖ヶ浦」で、「袖ヶ浦」は高輪の海の総称です。
東海道の旅に出て、袖から携帯用の筆を取り出すことと旅日記を高輪の記事から書き始めることを洒落て詠んでいます。   

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2018年5月23日 (水)

咄をは跡から配る京みやけ

咄をは跡から配る京みやけ

まずモノを配ってから土産話を。   

  

御庭から駿河へ杣か道を明ケ

尾州下屋敷の外山屋敷(高田の馬場の南)には東海道五十三次の庭があり、「御庭」といいました。
木を伐って実物の富士山を見えるようにしたということでしょうか。
植木職人を杣(木こり)としゃれたのでしょう。   

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2018年5月21日 (月)

あふ事のたへて難儀な坊主持

あふ事のたへて難儀な坊主持

「坊主持ち」は同行者の荷物を皆まとめて道で坊さんと出会うたびに担ぎ手を変えること。
「逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし」(中納言朝忠 百人一首)の文句取り。
坊さんがなかなか来なくて難儀なことになったと。   

  

切れたふりするはなまくら娘也

「切れる」は、物事をうまく処理できる意。
「なまくら」は、切れ味がにぶいこと。なまけもの。
刀仕立てで、なまけものの娘を詠んでいます。   

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2018年5月19日 (土)

三日月ハ痩て出るはつ病上リ

三日月ハ痩て出るはつ病上リ

病み上がりと闇あがりの洒落です。
新月は闇夜なので。   

  

敷嶋の道普請には軍留

「敷島の道」は、歌道。
「道普請」は道路工事。
武将で歌人であり古今伝授を受けていた細川幽斎は田辺城を護りぬきます。
「軍留」(いくさどめ?)は戦をとめたということでしょうか、通行止めの「車留」の洒落でしょう。   

  

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2018年5月17日 (木)

神風は唐風よりもいらひどし

神風は唐風よりもいらひどし

「唐風」が不明です。 インフルエンザでしょうか?
「いらひどい」は、過酷だ、無慈悲だの意。
この句は宿題です。   

柳多留五二篇24丁

  

大和哥萬千百の廣太さ

「大和哥」は、やまとうた。和歌です。
「万」葉集・「千」載和歌集・「百」人一首と、多彩だと。   

 

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2018年5月15日 (火)

鹿に手綱も付かねぬ妾也

鹿に手綱も付かねぬ妾也

秦の趙高は二世皇帝に鹿を馬と言って献じましたが、問われた家臣は趙高を恐れ馬と答えました。
お妾の横暴がそのくらいひどいと。   

  

武勇ては一家六文名か高し

この句よくわかりませんでした。
真田家の家紋六文銭(六連銭)のことでしょう。
しかし、六文名が高いとはえらいけちくさいので褒めていないのかもしれません。
すっきりしません。この句は宿題です。   

 

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2018年5月13日 (日)

世に青葉殘し二八の花は散

世に青葉殘し二八の花は散

平敦盛は十六歳で一ノ谷で熊谷直実に討たれ、青葉の笛を残しました。   

  

西行と遊行ハ春のにしき也

古今和歌集「見わたせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける」をふまえています。
そこに謡曲西行桜(あるいは京都の勝持寺の西行桜)と謡曲遊行柳(あるいは那須・芦野の遊行柳)を当てはめたと。   

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2018年5月11日 (金)

泰平にして元トに歸す十二躰

泰平にして元トに歸す十二躰

徳川家康は三河鳳来寺の寅童子の化身といわれます。
その童子像は家康の生涯中行方不明でした。
天下を泰平にして十二体が全て元に戻ったと。   

  

方弐十四里の城下と通辞言

江戸のことを別名「四里四方」といいます。
中国の通訳が江戸のことを一辺二十四里だといったと。
日本の一里が中国の六里という前提のようです。   

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2018年5月 9日 (水)

彼石ハ實朝公の御奉納

彼石ハ實朝公の御奉納

「彼石」は、かのいし。
鶴岡八幡宮の政子石。   

  

こん龍ハうへなき雲の上に住ミ

「袞竜」(こんりょう)は、龍のぬいとり。それををつけた衣服。
天子の服です。   

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2018年5月 7日 (月)

荒世帶枕双紙を古事に引

荒世帶枕双紙を古事に引

「荒世帶」は、類句では「新世帯」(あらぜたい)と同じと思われます。
新婚夫婦ですが、長屋住まいで訳ありの場合が多いようです。
枕双紙は春画の本。
それを枕草子を思ったと。   

  

門院を逆サにしたか落度也

義経は壇ノ浦で生け捕った建礼門院と関係があったという説があります。
頼朝の機嫌をそこねたと。
いくつかの類句からも、そのことを詠んでいるようです。
   門院をあつためたのがおちとなり 安四宮1   

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2018年5月 5日 (土)

蓮飯の咄にひよんな根を押れ

蓮飯の咄にひよんな根を押れ

「根を押す」は、念を押す。(日本国語大辞典)
話題に蓮飯が出て、それが名物の不忍池の出合茶屋(男女密会に使われる)に行ったことはないでしょうねと女房に念を押されたと。
蓮と根は縁語。   

  

眞を切る毛ぬきかねへと下女ましめ

下女が真面目な顔をして蝋燭の燃えさしを切る芯切鋏を毛抜きと間違えたと。
大きな毛抜きのような形のもあるようです。
昔もそういう形だったのでしょう。   

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2018年5月 3日 (木)

脉と腹見せると跡ハべかつこふ

脉と腹見せると跡ハべかつこふ

医者の診察の様子。
「べかっこう」はべっかんこ(あかんべ)でしょう。
最後に眼瞼結膜を診せると。   

  

下女へ種蒔て女房にほぢくられ

旦那が下女に手を出して後で女房に詮索されると。
種とほじくるは縁語。   

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2018年5月 1日 (火)

小間物屋汐満玉も持て居ル

柳多留五二篇23丁

小間物屋汐満玉も持て居ル

「潮満珠」(しおみつたま)は満ち潮にする玉で、「潮干珠」(干潮にする玉)とともに海幸彦・山幸彦の神話に出てくる呪力のある玉です。
移動販売の小間物屋は淫具販売もしたようです。   

  

居すまいにちいつと見せるふとつてう

「居住まい」は、すわっている姿勢。
「ふとつてう」は、ふとっちょう。
着物が小さいと裾が乱れやすいと。   

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2018年4月29日 (日)

ゑご芋をぬすんで屁にもならぬ也

ゑご芋をぬすんで屁にもならぬ也

「えご芋」はえぐ芋。
サトイモの一品種で、えぐ味が強い。
盗んだが、あくが強くて食べられなかったと。   

  

さそふ水下女汲ミに出る手筈也

 「わびぬれば身を浮草のねをたえて誘ふ水あらばいなんとぞ思ふ」(小野小町)の文句どり。
下女が井戸に水を汲みに出たらそれを合図に相手も外へ出るとか、逢引の手筈でしょう。   

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2018年4月27日 (金)

見かけより蚯蚓よつほといきな声

見かけより蚯蚓よつほといきな声

秋の季語「蚯蚓鳴く」。
実はオケラの鳴き声といいます。   

  

生醉か紙をくれたで不安心

「生酔」(なまえい)は、酔っ払い。
吉原の客が幇間に紙花(あとで現金のご祝儀に替えてもらう鼻紙)をくれましたが、泥酔状態。
不渡りになりそうで心配。   

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2018年4月25日 (水)

手のかゝと沓をはかせる疊さし

手のかゝと沓をはかせる疊さし

「畳刺し」は畳職人。
何か当て布のようなものを作業の支点の肘に当てるのでしょうか。
もう少し調査が必要です。   

  

かゝる所へ油さしのつさ〳〵

吉原の遊女の部屋へ行灯の油を注ぎに夜中に若い者(従業員)が来ます。
客がいても来ます。   

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2018年4月23日 (月)

目に見へぬ鬼神を息子和らける

目に見へぬ鬼神を息子和らける

この句わかりませんでした。
息子は放蕩息子で間違いないのですが。
目に見えぬ鬼神がわかりません。
この句は宿題です。   

  

村芝居團子よしかな牡丹餅ハ

田舎の芝居小屋の中で菓子を売る物売りの声。
団子は団子鼻、牡丹餅は見目麗しくない女性の意味があるので田舎の芝居では観客が…といいたいのでしょう。   

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2018年4月21日 (土)

大難儀との雪隱もヱヘン也

男共旦那の釜を二度かりる

   16丁既出句   

  

大難儀との雪隱もヱヘン也

「との雪隱も」は、どの雪隠も。
個室が全部埋まっていて窮地。   

  

とんだ花娵鼻紙て火をおこし

貴重な鼻紙は火を起こす手順では使わない。
経済観念がないと。
あるいは鼻紙関係で遊女あがりなのかもしれません。   

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2018年4月19日 (木)

長範ハ吉次來ッて凶事と成リ

長範ハ吉次來ッて凶事と成リ

源義経は美濃国青野が原で金売吉次を襲った熊坂長範と手下十三人を討ちます。
長範としてはいい獲物と思ったのに吉事(吉次)が凶事になってしまったと。  

  

後の月内證も少しいびつ也

吉原紋日で月見の後に来る後の月見。
「内証」(ないしょう)は、遊女屋の帳場。
さすがに内証のやりくりもきびしくなって、後の月(十三夜)ほどはいびつだと。   

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