2017年3月26日 (日)

客を茶にしてお茶を挽安ス女郎

客を茶にしてお茶を挽安ス女郎

「茶にする」は、ちゃかす、馬鹿にする、軽く見る意。(日本国語大辞典)
「お茶を挽く」は遊女に客がつかないこと。
客を粗末に扱って不人気と。   

  

口説かれて宇治〳〵とする ちや屋娘

宇治茶とうじうじの洒落。   

  

茶を出しに娘を呑氣淺黄裏

   28丁既出句   

  

前だれの内そゆかしき茶や娘

「前垂」は、前掛け。(日本国語大辞典)
「雲の上はありし昔にかはらねど見し玉だれの内ぞゆかしき」(謡曲鸚鵡小町より)の文句取り。   

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2017年3月25日 (土)

武藏野で能有ル鷹ノ爪を出シ

武藏野で能有ル鷹ノ爪を出シ

以前解釈した句で、
   武藏野ゝ見世に茶椀ハ田毎程 五一・29
があります。
どうも「武蔵野」は茶店の名のような気がします。
広大な店と以前書いた解釈は誤りのようです。
「鷹爪」(たかのつめ)は上等な茶の名。(日本国語大辞典)
「能ある鷹は爪を隠す」(諺)を利かせます。   

  

福茶をば梅干親仁やたらのみ

「梅干」は、老人の意。(日本国語大辞典)
「福茶」は、茶の中に黒豆・昆布・梅干などを加えて煎じたもの。
梅干つながりです。   

  

親父ハ渋茶お袋ハ甘茶也

   28丁既出句   

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2017年3月24日 (金)

武藏野ハつきのよいので客が有リ

武藏野ハつきのよいので客が有リ

この句よくわかりませんでした。
武蔵野は月の名所なので、「つき」と月の洒落と思われます。
「武蔵野」は茶店の名の可能性がありますが、「つき」がわかりません。
この句は宿題です。   

  

鷹ノ爪呑ンで隱居の氣がそれる

   28丁既出句   

  

はやる茶屋外ト迄客がにへこぼれ

   27丁既出句   

  

繁昌さ見せハぶんぶく茶がま也

 この句もよくわかりませんでした。
よくはやる茶店の句なのでしょう。
分福茶釜がどんな様子の表現なのかわかりません。
この句も宿題です。   

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2017年3月23日 (木)

六人の内に茶坊主壹人リ入レ

六人の内に茶坊主壹人リ入レ

「六人」は六歌仙。(僧正遍昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大伴黒主)
「喜撰」は、茶の銘柄の一つ。転じて茶そのものもいう。(日本国語大辞典)
「法師」は坊主で、喜撰法師はすなわち茶坊主。   

  

宵に鷹呑ンで雀の声を聞キ

   27丁既出句   

  

餅も茶も扨阿部川ハ悪ルク無シ

「扨」は、さて。
安倍川餅もお茶も駿州安倍川の結構な名物だと。   

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2017年3月22日 (水)

傘の斷山吹をくんで出し

傘の斷山吹をくんで出し

「断」は、ことわり。
太田道灌は蓑を借りようと入った家で若い女に山吹の花を差し出されましたが、それが蓑はないという意味で、その鍵となる山吹の古歌を知らなかったため無学を恥じ歌道に励みます。
「七重八重花は咲けども山吹の実の(蓑)一つだになきぞ悲しき」
客に茶を出すかわりに山吹を出したと。
「山吹」は宇治茶の山吹茶の略で、洒落でもあります。   

柳多留五一篇30丁

  

あたへ千金山吹の醉覺マし

「あたへ千金」は、値千金。
「山吹」は宇治茶の山吹茶の略。
山吹茶はよく効く酔い覚ましだと。
山吹と千金は縁語。   

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2017年3月21日 (火)

錦手で呑ムのへ仲人ゆびを指し

錦手で呑ムのへ仲人ゆびを指し

茶店でお見合い。
ほら、あの人が縁談のお相手だよと仲人がそっと教えます。
今のお見合いとは違います。   

  

口切や山吹色の事といゝ

「口切」は、陰暦十月の初め頃封じておいた新茶の壺をあけること。またその茶で催す茶会。(日本国語大辞典より)
「炉開きや汝をよぶは金の事」(其角)のもじりです。
其角の句は武士が町人に茶室の新築費用を捻出させる話だそうです。
「山吹」は宇治茶の山吹茶の略で、洒落でもあります。   

  

茂林寺に有ルのハとんだ茶がま也

「茂林寺の釜」(甲子夜話)。
茂林寺の僧守鶴(実は狸)の愛用の茶釜は汲んでも湯が尽きませんでした。
「とんだ茶釜」は、とんだよいもの、とんだよいことの意の慣用句です。(日本国語大辞典)
茂林寺のはその通り「とんだ茶釜」だったと。
ただ、昔話の分福茶釜の可能性もあります。後期の句はむしろ昔話のほうが多いかも。
   茂林寺の和尚疝気でうたぐられ 八九・41
      これは僧が狸
   茂林寺の狸ハ腹をほうじられ 九一・23
      これは茶釜が狸   

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2017年3月20日 (月)

世の中を茶にしてくらす四疊半

世の中を茶にしてくらす四疊半

「茶にする」は、ちゃかす、馬鹿にする、軽く見る意。(日本国語大辞典)
「四疊半」はここでは茶室。
茶道の師匠の暮らしでしょうか。   

  

うつむゐて茶をきつすのハ其二人リ

茶店でのお見合いでしょうか。
ただ、当時はこんな今風の見合いではなかったと思うので、違うかもしれませんが。
こういう場合もあったのかもしれません。   

  

武藏野ゝ見世に茶椀ハ田毎程

「武蔵野」は、広大なもののたとえ。(日本国語大辞典)
だだっ広い茶店に、茶碗が信濃の田毎の月ほど沢山あるというのでしょうか?
名所で揃えました。   

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2017年3月19日 (日)

入唐を茶にして明惠持て來ル

入唐を茶にして明惠持て來ル

「茶にする」は、ちゃかす、馬鹿にする、軽く見る意。(日本国語大辞典)
「明恵」(みょうえ)は鎌倉初期の華厳宗の僧。
高山寺の明恵は栄西が宋から持ち帰った茶の種を初めて栽培し茶の普及の契機となりました。
明恵自身は入唐していないようです。
中国まで行かなくても本場の茶が味わえるよといいながらお茶を持ってくると。   

  

口切は利休の像へ先ッそなへ

「口切」は、陰暦十月の初め頃封じておいた新茶の壺をあけること。またその茶で催す茶会。(日本国語大辞典より)
茶聖である千利休の切腹を利かしているのでしょう。   

  

世を宇治山を喜撰とはおもしろし

「わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり」(喜撰法師)
「喜撰」は、茶の銘柄の一つ。転じて茶そのものもいう。(日本国語大辞典)
茶の宇治だけに喜撰法師がふさわしいと。   

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2017年3月18日 (土)

一ト声ハ茶つみも笠をかたむける

一ト声ハ茶つみも笠をかたむける

旅人が茶摘み娘に声をかけてちょっかいを出すのでしょう。
一度は顔を向けてくれますがあとは無視と。   

  

茶の種を植たかこいにけんねん寺

「けんねん寺」は建仁寺。けんにんじの変化した語。(日本国語大辞典)
「建仁寺」は、建仁寺垣の略。四つ割り竹を皮を外にして平たく並べ竹の押縁を横にとりつけ縄で結んだ垣。(日本国語大辞典)
茶畑の垣根を詠んだ句。
茶と禅宗の建仁寺は縁語なのでしょう。   

  

今は昔と茶に書ィた宇治拾遺

「茶」は、ちゃかすこと。いいかげんなことを言うこと。(日本国語大辞典)
宇治拾遺物語のエピソードは「いまはむかし」で始まります。   

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2017年3月17日 (金)

扨明ばんは茶臼だと講師言ひ

扨明ばんは茶臼だと講師言ひ

「扨」は、さて。
「茶臼山」は、大坂冬の陣で家康が陣を置き、夏の陣で真田幸村が討死した所。
「講師」は、講釈師の略。(日本国語大辞典)
この時代ですから家康の一代記のような内容の講釈なのでしょう。
明晩は茶臼山の回だから、乞うご期待と、
別の意味の「明晩は茶臼だ」もほのめかしているのでしょう。   

柳多留五一篇29丁

  

宇治へ茶を移すははるか後チ昔シ

「後昔」(のちむかし)は、茶摘みの第二日目に摘んだ葉から製した抹茶の銘。(日本国語大辞典)
ここでは単に「昔」の洒落でしょうか。
宇治茶は鎌倉時代から栽培されていたそうです。   

  

牡丹散ル頃に名茶を摘ミはしめ

茶摘みは春から夏に変わる八十八夜の頃。
それは春牡丹の散る頃だと。
それだけなのでしょうか。ちょっとすっきりしません。   

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2017年3月16日 (木)

馬の小便ハ番茶の名代也

馬の小便ハ番茶の名代也

「名代」(なだい)は、標示する名。名義。(日本国語大辞典)
馬の小便のような薄い茶だなどと悪口をいうような場合でしょうか。
ちょっとすっきりしません。   

  

茶で見てもちゞれた方か味がよし

よく揉んだ茶葉と女性の髪の毛。   

  

立臼の下女を茶臼に取リ上る

「立臼」(たてうす)は、背が低く太った女性。(日本国語大辞典より)
「茶臼」は、男女交合で女性が上になる体位。(日本国語大辞典)
臼で揃えました。   

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2017年3月15日 (水)

茶ハ出しで娘をのみに淺黄寄り

茶ハ出しで娘をのみに淺黄寄り

「出し」は、口実。(日本国語大辞典)
「浅黄」は、田舎の勤番侍。
浅草寺境内の二十軒茶屋でしょうか。美人の娘が接待しました。
娘が目当てで田舎侍が訪れると。
茶と出しは縁語。   

  

すつぽんと月キ下妻と宇治の茶師

「下妻」(しもつま)は、下妻地方産の茶。(日本国語大辞典より)中世末に宇治から移植されました。
「茶師」(ちゃし)は、茶の製造・販売などを業とする人。茶業者。(日本国語大辞典)
「すっぽんと月」は「月とすっぽん」を逆に言っただけでしょう。   

  

茶を取りに乳母廣嶋を持て來る

「広島」は、広島薬鑵の略。真鍮で作り、雲龍の形などを打ち出したやかん。(日本国語大辞典)
大柄な乳母は茶をたくさん飲むということでしょうか。
ちょっとすっきりしません。   

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2017年3月14日 (火)

何時と聞ケばあをむく田舎茶や

何時と聞ケばあをむく田舎茶や

田舎では太陽を見て時刻を判断するだろうと。   

  

人を茶に仕たと梶原くやしかり

「茶にする」は、馬鹿にする意。(日本国語大辞典)
梶原景季は佐々木高綱との宇治川の先陣争いで、馬の腹帯が緩んでいるとだまされて出遅れました。
そのことを詠んでいます。   

  

ばあさんも煎し出されるはやる茶や

人手不足で、出し殻のようなお婆さんまで駆り出されるということでしょうか。   

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2017年3月13日 (月)

鷹の爪呑で隱居は氣かそれる

鷹の爪呑で隱居は氣かそれる

この句よくわかりませんでした。
「鷹爪」(たかのつめ)は、上等な茶の名。(日本国語大辞典)
 「気が外れる」は、気持が他の方へ向かう、よそ事を考える意。(日本国語大辞典)
隠居が上等なお茶を飲んで眠れなくなって、まではわかるのですが。
何から気が外れるのかが判然としませんし、かえって集中しそうです。
(気が外れず、ならまだわかるのですが。)
この句は宿題です。   

  

しぶい茶ハ親父お袋甘茶也

 放蕩息子に渋い顔は親父、甘やかすのは母親。   

  

連レもなく壹人リ茶を挽くつらひ事

遊女に客がつかないことを「お茶を挽く」といいます。   

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2017年3月12日 (日)

茶畑を頼政勢ィがふみちらし

茶畑を頼政勢ィがふみちらし

源三位頼政。
宇治橋で平氏と戦い平等院扇の芝で自害しました。
名産の茶畑も踏み荒らされたろうと。   

  

古井戸へはまるハとんだ茶人なり

茶人が好む「井戸茶碗」に入れ込んで、身上を潰してしまったと。   

  

茶屋娘理不仁よけをしめて居る

「理不尽」は、むりむたい。(日本国語大辞典)
客のちょっかいを避けるために帯をしっかり締めているということでしょうか?
ちょっとすっきりしません。   

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2017年3月11日 (土)

色も香も能ゥはかくさぬ鷹の爪

色も香も能ゥはかくさぬ鷹の爪

「鷹爪」(たかのつめ)は、上等な茶の名。(日本国語大辞典)
諺の「能ある鷹は爪を隠す」を利かせています。
上等なお茶は色でも香りでもわかると。   

柳多留五一篇28丁

  

御ゆるりと言ふか茶みせの花香也

「花香」(はなが)は、奥ゆかしい心ばえ。煎じたてのかぐわしいかおりの茶。(日本国語大辞典)
二つの意味を掛けています。
「ごゆっくり」という茶店の挨拶が客への心遣い。   

  

氣に入ッたそふで見合も茶を譽ル

茶店を利用してのお見合い。
相手を気に入った様子でまとまりそう。
仲人も機嫌がよく、茶をしきりに褒めます。   

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2017年3月10日 (金)

はやる茶屋外ト迄客も煮へこぼれ

はやる茶屋外ト迄客も煮へこぼれ

繁盛している茶屋では、茶釜の茶が煮えこぼれるように客も店の外まであふれていると。   

  

宵に鷹のんで雀の声をきゝ

「鷹」は「鷹爪」(たかのつめ)の略。上等な茶の名。(日本国語大辞典)
不眠のまま朝になったと。
鳥で揃えました。   

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2017年3月 9日 (木)

珍客を寐せぬが宇治の馳走也

珍客を寐せぬが宇治の馳走也

宇治茶で接待して客を不眠にすると。   

  

武藏野で賎山吹を客へ出し

「賤」(しず)は、身分の低い者。(日本国語大辞典)
太田道灌は、雨宿りに入った家で山吹の花を出され、その意味する山吹の古歌を知らなかったことから歌道に励むようになります。
「山吹」は宇治茶の山吹茶の略。
山吹の花を出したことを客に茶を出すことに掛けました。   

  

分限者の茶には山吹きつい事

「分限者」は、金持。
「きつい」は、たいしたものだ。(日本国語大辞典)
「山吹茶」は、宇治茶の銘の一つ。(日本国語大辞典)
金持ちは茶を飲むにしても高い山吹茶を飲むのはさすがにたいしたもんだと。   

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2017年3月 8日 (水)

鼻の穴くじつてなめて叱られる

鼻の穴くじつてなめて叱られる

そのままの句でしょう。   

  

鉄炮の玉ハ五年に拾匁

吉原の鉄砲河岸の最安女郎(玉は遊女)の揚代(一切れ百文)の五年間での総計でしょうか。
上等な品川女郎の「十匁玉」(揚代が銀十匁)との比較と思います。
また、十匁は鉄砲の玉の重さを利かしています。   

  

まつ黒に實盛の毛ハちゞれてる

   25丁既出句   

  

武藏野は諸國名茶の寄リ所

江戸には諸国の銘茶が集まるという、そのままの句でしょうか。
別解があるかもしれません。   

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2017年3月 7日 (火)

儒者だけにかゝぬハ義理にとくびこん

儒者だけにかゝぬハ義理にとくびこん

「犢鼻褌」(とくびこん)はふんどしのこと。また、中国由来のふんどしの源流ともいいます。
貧乏儒者でも儒者だけに義理は欠かないし、中国源流のふんどしも欠かさないと。
ちょっとすっきりしませんが。   

  

是なしに下女いつくんぞなびかんや

「いずくんぞ」は、どうして・・・であろうか、そうではない。
いかに好色な下女といえど、お金がない男にはなびかないと。
古川柳の常識から考えると、この解釈は疑問の余地があります。   

  

悪ヒ事はつかりわれてうせながら

この句よくわかりませんでした。
「はつかり」は、ぱっかり?
「われる」は、犯人がわかる、ばれる意。(日本国語大辞典)
何かの文句取りでしょうか。
この句は宿題です。   

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