2017年4月30日 (日)

三味線のいろは三河の泊メ女

三味線のいろは三河の泊メ女

三味線の「いろは」は、「岡崎」という練習曲のことを指すのでしょう。
「留女」は宿場の宿屋の客引き女。
三河の岡崎宿と練習曲の岡崎を洒落たのでしょう。
それだけか、ちょっとすっきりしません。   

  

衣川茶臼に哥を詠んた所コ

「茶臼」は、上下逆にすること。(日本国語大辞典)
安倍貞任の故事。
源義家が衣川の戦いで矢を引き絞りながら貞任に一首詠みかけ、つけた句の歌心に免じて逃がしたといいます。
「衣のたてはほころびにけり」「年をへし糸の乱れの苦しさに」
まず下の句から。   

  

睾丸に縫上ケの有る狸の子

「縫上」は、子どもの着物を成長しても着られるよう大きめにつくって肩や腰を縫い止めておくこと。
これからまだ八畳敷まで大きくなるので。   

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2017年4月29日 (土)

大あくひかつくりゆかむ笠の紐

大あくひかつくりゆかむ笠の紐

旅人が大あくびしたら、笠のあごひもがゆがんでゆるんでしまったと。   

  

竹馬を裏へ引込ムかゝァ達チ

「竹馬」は古着行商で、端に赤い布をつけた竹馬(竹を四本組み合わせたものを棒の両端に天秤のようにさげたもの)に古着をいれて行商します。
長屋のおかみさん連中が長屋の路地に引き込んで品定めをしようというのでしょう。 
竹馬が長いので、いかにも引き込まれるという感じです。   

  

鬼灯を串ざしで干ス提灯屋

「鬼灯提灯」(ほおずきぢょうちん)は、赤い紙を張った小さい球形のちょうちん。(日本国語大辞典)
多くの提灯が干されている様は本当のほおずきのようだというのでしょう。
「串ざし」というのは、どういう感じなのかすっきりしません。   

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2017年4月27日 (木)

序と切りは三河太夫に伊勢太夫

序と切りは三河太夫に伊勢太夫

「序」は、歌舞伎などで最初の場や最初の狂言。
「切り」は、歌舞伎などで最後の幕や最後の狂言。
一年の初めの正月に現れる三河万歳の太夫と年末に現れる伊勢の御師。(神社の御師を太夫ともいうようです。)   

  

男女席を同ふせざるハ初會

「男女七歳にして席を同じゅうせず」(礼記)の文句取り。
吉原の花魁は初会(一回目の登楼)や裏(二回目の登楼)では打ち解けないと。   

  

石を見て木のやふになる鶴ケ岡

鶴岡八幡宮の政子石(陰石、やもめ石)。
その石を見て、体の一部が木のようになると。
木石の語の洒落。   

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2017年4月26日 (水)

相槌が母てなまくら者に成り

相槌が母てなまくら者に成り

刀鍛冶に擬しています。
母親が息子のわがままに相槌を打って甘やかし、なまくら刀ならぬなまくら息子ができたと。   

  

御妾のこけつこつこを御用ひ

「こけつこつこ」は、コケッコッコ。
「御用ひ」は、おんもちい。採用なさる。
「雌鶏(めんどり)歌えば家亡ぶ」は、女が男に代わって権勢をふるうような家はうまくいかず滅ぶものであるというたとえ。(日本国語大辞典より)
殿様がわがままな御妾のいいなりになるので家が傾くと。   

  

あつく成り火焔玉屋へ通ふ也

「火焔玉屋」は、吉原江戸町一丁目の妓楼角の玉屋。
暑い(熱い)と火焔の縁語仕立てなのでしょうか。
ちょっとすっきりしません。   

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2017年4月25日 (火)

髪剃砥韓信よりも氣が早し

髪剃砥韓信よりも氣が早し

「髪剃砥」は、かみそりど。
砥石を女性がまたぐと割れるという迷信があります。
「韓信」は劉邦の武将で、韓信は町の少年の挑発を股くぐりで避けました。
これは忍耐。それに比べると砥石は辛抱が足りないと。   

  

十分に計り九合へ徐福來る

「九合」は類句から推測すると、富士山のことらしいです。
   六郷の内に九合の山ひとつ 五一・9
      六郷様のお屋敷に富士権現が
   九合の裾で十分に仇を討チ 一〇三・4
      富士の裾野で曽我兄弟が
徐福は不老不死の薬を求めて蓬莱山をめざし富士山に来たといいます。
十分に計画して、富士山に来たと。十と九で数字で揃えました。   

柳多留五一篇35丁

  

月は譽め雪にはこまる不破の関

美濃の「不破の関」は壊れているので有名。
壊れているからこその名所で、関守が修理したら二条良基が引き帰したといいます。
屋根の破れ目から月が見えていいが、雪が降ると困ると。   

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2017年4月24日 (月)

上ミの句て其角ハ下モの苦を休メ

上ミの句て其角ハ下モの苦を休メ

「下」(しも)は、人民。(日本国語大辞典)
宝井其角の三囲稲荷での雨乞いの句。
「夕立や田をみめぐりの神ならば」でにわか雨を降らせたといいます。
五七五で日照りに苦しむ庶民を助けたと。
下の句と下の洒落。   

  

鶴の極官腰黒に赤烏帽子

「極官」(ごくかん)は、極位極官(ごくいごっかん)で、受けた最高の官位。
鶴の姿を装束に比したのでしょう。   

  

花の名に和漢の美女の唱へあり

「唱え」は、呼び名。(日本国語大辞典)
小町桜と楊貴妃桜のこと。   

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2017年4月23日 (日)

不老不死たもつ(て)今に二十山

不老不死たもつ(て)今に二十山

「二十山」(はたちやま)は富士山のこと。
竹取物語では、不死の薬を峰で焼き、それで「ふじ山」というようになったと。
不老不死でいまだに二十歳だと。   

  

ありがたさ手篇に別ッの依怙ハなし

「手篇に別ッ」は、捌く(さばく)という字。裁判することでしょうか。
「依怙」(えこ)は、一方にかたよってひいきすること、えこひいき。(日本国語大辞典)
お裁きは公正でありがたいということでしょうか。   

  

咲耶姫九重ならぬ雲の上

「咲耶姫」は富士山に鎮座する女神、木花咲耶姫。
お姫様なら九重の宮中にいそうなものですが、咲耶姫は雲の上だと。   

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2017年4月22日 (土)

言ン篇に成りたけ盡す孝の道

言ン篇に成りたけ盡す孝の道

「言ン篇」は、ごんべん。
誠の字でしょう。
誠を尽くして親孝行すると。   

  

息才は人の盗ぬ宝なり

「息災」は、健康であること。(日本国語大辞典)
健康は人に盗まれることのない財産だと。   

  

二ケ國へ一夜に出來る父母の恩

古川柳では琵琶湖は富士山とともに孝霊五年に一夜にしてできたことになっています。
この二カ国も近江と駿河ということでしょう。
しかし、父母の恩がうまく解釈できません。
この句は宿題です。   

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2017年4月21日 (金)

御武運の開キ初めハ杜若

御武運の開キ初めハ杜若

家康の出世は三河からということでしょう。
現在の知立市の八橋は伊勢物語に出てくる杜若の名所。
   御勝利も初てハおかざきからの事 一六・25   

  

たいまいな金のかゝつた笠を召し

尾州宗春は鼈甲の笠で廓通いをしたといいます。
「大枚」と、鼈甲の材料になるウミガメの「玳瑁(たいまい)」の洒落です。   

  

秦の闇ミ魯國の壁であかるくし

秦の始皇帝の焚書坑儒の後、漢の武帝時代に孔子の旧宅の壁の中から左官が論語等を掘り出したといいます。そのことを詠んでいます。
孔子は魯国の人。
「秦の闇」は「真の闇」の洒落でしょう。   

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2017年4月20日 (木)

どこがいゝやらごてれつを可愛がり

どこがいゝやらごてれつを可愛がり

「ごてれつ」は、ぶつぶつ言ってうるさいやつ。(日本国語大辞典)
女性なのでしょうが、ちょっとすっきりしません。   

柳多留五一篇34丁
  

いやなやつ水なと汲ンてやりやァがり

この句、わかりませんでした。
どういう場面かわかりません。
この句は宿題です。   

  

塩がつほぱつかり明ケて嗅で見る

塩鰹は鰹を塩に漬け乾燥させた塩蔵品らしいです。
初鰹では新鮮さが重要なので、塩蔵品でも匂いを嗅いでみるというのでしょうか。
ちょっとすっきりしません。   

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2017年4月19日 (水)

知るよしにかりに居にけり迯たやつ

知るよしにかりに居にけり迯たやつ

「男初冠して、平城の京、春日の里に、しるよしして、狩りに往にけり。」(伊勢物語 初冠)、その文句取り。
伊勢物語の「しる」は領有する意味ですが,この句の「しる由」は、知りあい。(日本国語大辞典)
支払いができずに逃げた男は、知り合いに借金しにいったのだと。   

  

奸通露顕三百目ふんだくり

「目」は、銀貨の量目の単位、匁の略。(日本国語大辞典)
五両とか三百匁は古川柳では間男の示談金です。   

  

供先でわつ〳〵と泣く小侍

「小侍」は、武家に奉公した元服前の少年侍。(日本国語大辞典)
侍といってもまだ子供。   

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2017年4月18日 (火)

わらでたばねても男の見る桟敷

わらでたばねても男の見る桟敷

「わらで束ねても男は男」とは、どんなに貧相でも男には男の値うちがある意。(日本国語大辞典)
相撲興行の桟敷の句のようです。
この時代、相撲は男しか観覧できませんでした。   

  

兵書だにまご子と讀ンて笑われる

「孫子」は春秋時代の兵法書。   

  

にくらしひ新造だつてきゝいせん

「ききいせん」は「聞きません(承知しない 許さない)」の吉原語でしょうか。
若い新造まで花魁の真似をしてききいせんなどと憎まれ口をいいます。
花魁の名代で出た新造に客が手を出そうとしたのでしょうか。   

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2017年4月17日 (月)

娵ハないはづ是〳〵のわけだ物

娵ハないはづ是〳〵のわけだ物

「娵」は嫁。
そのままの一般句のようです。
放蕩がすぎて嫁が逃げたのでしょうか。   

  

段梯子おめいて登る大一坐

「おめく」は、大声をあげて叫ぶ意。(日本国語大辞典)
「大一座」は葬式崩れで吉原集団登楼する団体客。
遊郭の二階へ上がる階段を大騒ぎで登っていくさまでしょう。   

  

くどくに利あり茶せん髪芝居好キ

   32丁既出句   

  

しわに成ますと火伸シをふり廻し

「火熨斗」(ひのし)は炭火などを入れて使う今のアイロン。
朝帰りの亭主を女房がそれとなくいじめるのでしょう。   

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2017年4月14日 (金)

息子最ふ地利を考へ中田甫

持ッたが病又湯治〳〵

   31既出句   

  

息子最ふ地利を考へ中田甫

「地利」は、地形上の便利、地の利。(日本国語大辞典)
「中田甫」(なかたんぼ)は、浅草寺奥山と吉原の間をいいます。田んぼや湿地で、吉原への道の一つです。
道楽息子は吉原を攻略しやすいよう吉原の裏手にすでに布陣していると。   

  

娵の顔かゝァが寄てなんを付

嫁入りの嫁の礼(近所への挨拶廻り)のあと。
近所のお内儀さん連中が噂話で難癖をつけると。   

 

跡で聞きや肝のつぶれるさし身也

鮮度の落ちた初鰹を安値で買ったのをお相伴したのでしょうか。
実は食中毒になっていても不思議がないようなシロモノだったと。
ふぐかとも思いましたが、ふぐ汁にすると思うのでちがうでしょう。   

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2017年4月 9日 (日)

口篇ンに空おそろしき紀證文

柳多留五一篇33丁

口篇ンに空おそろしき紀證文

口偏に空で「啌」(うそ)。
遊女の起請文は嘘八百で。   

  

振袖を振つて娘ひよんな顔

「振つて」は、ふるって。
「ひょんな」は、予期に反して不都合なこと。(日本国語大辞典)
男が気を引こうと振袖を引っ張るのでしょう。   

  

妾が兄馬場へ召れて疑惑する

「疑惑」は、どうも変だと疑うこと。(日本国語大辞典)
殿様の御妾の兄が士分に取り立てられましたが、馬場で馬に乗せられ周囲に出自を疑われると。   

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2017年4月 8日 (土)

奥家老七日引込ミなぶられる

奥家老七日引込ミなぶられる

「奥家老」は老人で御殿女中や奥の管理を任されています。
七日間休んだら、月経かと御殿女中にひやかされたと。   

  

 殿斗リ安ィ妾とおぼし召

贅沢な御妾。
周囲や国家老からみれば無駄使いの極み。
殿様だけはそう思っていないと。   

  

もろ く の米を焚てる社家の妻

「社家」(しゃけ)は神職。
お供えの少量づつのお米をまとめて炊くので。   

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2017年4月 7日 (金)

かれ是と夏を隣に嫁の礼

かれ是と夏を隣に嫁の礼

嫁の年礼はなにやかやで時期が遅くなることがあったようです。
もう旧暦の四月になろうとする頃にまでずれ込んでしまったのでしょう。   

  

六夜にハ扨能所と市の正

「六夜」は、二十六夜待ち。
「扨能所」は、さてよいとこ。
「市の正」(いちのかみ)は、片桐且元のこと。
片桐且元は、淀君を人質にするならば御殿山のような地に御殿を造営することを要求しました。   

  

秀吉をそろりとはめる紙ン帋(袋)

「紙ン帋(袋)」は、かんぶくろ。
秀吉の御伽衆の曽呂利新左衛門は、秀吉に紙袋二つ分の米を拝領すると言って数十人の人夫が担ぐ大きな紙袋で米倉二戸前を覆いました。
曽呂利と「そろり」の洒落。   

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2017年4月 6日 (木)

分別の外で伊勢屋も五兩出し

分別の外で伊勢屋も五兩出し

伊勢屋」は吝嗇な人の意。
。「五両」 は間男の示談金の相場。
けちな人も間男がばれてはお金を出さざるを得ないと。   

  

むや〳〵の関をおろぬくてんや者

「むやむやの関」は、女陰の意。(日本国語大辞典)
「おろぬく」は、間引く意。(日本国語大辞典)
「店屋者」は、遊女。(日本国語大辞典)
遊女は局所の脱毛をしました。   

  

御加増の加の字を馬の上へ乗セ

「加の字を馬の上へ乗セ」は、駕籠の「駕」の字。
加増して格式ある駕籠に乗れる身分になったということでしょうか。   

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2017年4月 4日 (火)

とゝの目を仕て見て鰹直を付る

とゝの目を仕て見て鰹直を付る

「直」は「値」(ね)です。
「魚(とと)の目」は、とっとの目。(日本国語大辞典)
かいぐりかいぐりとっとの目、とふざけてから初鰹の値をつけるというのでしょうか。
魚なので。   

  

方丈の何かゆかりの大黒屋

「方丈」は、住職の居間、寺の住職。(日本国語大辞典)
「大黒」は梵妻、すなわちお寺の奥さん。
寺に出入りするようになった商人の大黒屋。
大黒屋だけにコネがあるのではと。   

  

くとくに利あり茶せん髪芝居好キ

「利」は、都合がよいこと。(日本国語大辞典)
「茶筅髪」は、未亡人などの髪の結い方。(日本国語大辞典)
後家さんが芝居好きなのは口説きやすいと。   

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手みじかな戀よまん同士かゝん同士

手みじかな戀よまん同士かゝん同士

無筆同士の恋。
恋文のやりとりなど不要でいきなり逢引。
古川柳的には下女と飯炊きとか。   

  

きんたまを産んだ釣リ方御取立

「きんたまも釣り方」は、不正な役人でも縁故で昇進する、人は心の持ち方次第で気に入ったものは贔屓する意。(日本国語大辞典より)
御妾がきんたま、すなわち男児を生んだので、その一族が御取り立てになったと。   

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«寐ころんて聞くハ女房の異見也