2017年6月22日 (木)

産籠を重いといつてしかられる

産籠を重いといつてしかられる

「産籠」は、分娩の時産婦がすわって寄りかかる椅子のような道具。(日本国語大辞典)
お産が重いに通じるから縁起でもないと。   

  

突出しの振付をする姉女郎

初めて客をとる遊女(突出し)に先輩女郎(姉女郎)が客への応対のしかたを教えるのでしょう。   

  

立葵敵にとんぼふ返りさせ

「立葵」は本多の定紋。
本多忠勝は徳川四天王の一人で、幾多の戦闘で一度も負けず怪我もしなかったといいます。その長槍は「蜻蛉切」。
本多忠勝は蜻蛉切の槍でその名のとおり敵をとんぼ返りさせたであろうと。   

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2017年6月19日 (月)

不破の関降て來たそと大騒ギ

不破の関降て來たそと大騒ギ

美濃の「不破の関」は壊れているので有名。
壊れているからこその名所で、関守が修理したら二条良基が引き帰したといいます。
雨が降ってくると、関守以下、雨漏りが心配で大騒ぎすると。   

  

面白し帶から解る雪の肌

「解る」は、とける。
帯が解けるのと雪が融けるの洒落でしょう。
「面白い」は、古川柳では色っぽいことにもよく使われます。   

  

眉髭の雪ハ解へき春もなし

「眉髭」は、まゆひげでしょうか。何か特殊な意味があるかどうかわかりませんでした。
「解へき」は、とけべき、あるいは、とくべき、でしょうか。
歳をとって生じた眉や髭の白髪は雪のようにまた融けるというものではないということでしょうか。
ちょっとすっきりしません。   

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2017年6月17日 (土)

正直ハ天地の間万ッよし

正直ハ天地の間万ッよし

「天地の間」は、類句では空中の意が多いのですが、ここでは世界中くらいの意味でしょうか。
柱暦などの歳徳神のところに「(例えば 亥子)の間あきの方(歳徳神のつかさどる恵方)万よし」とか書いてあります。
その文句を真似て正直はどこに行っても良いことだというのでしょう。
   暦にハないが堪忍万よし 一四一・20   

  

世渡リの道も七尺去て知れ

「七尺去って師の影を踏まず」を利かしています。
仏道修行などに限らず、世渡りでも師匠や先輩を尊重してこそ判ることがあるということでしょうか。
ちょっとすっきりしませんが。   

  

忠孝の二字ハ誠の二千金

この句わかりませんでした。
忠も孝も千金の値があるということでしょうが、「二千金」に特定の意味か故事があるのでしょう。
しかし、類句もなく不明です。
この句は宿題です。   

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2017年6月15日 (木)

日の下の人も寐覺のいゝ御夢

日の下の人も寐覺のいゝ御夢

徳川家康の祖父、松平清康は左手に是の字を握る初夢を見ました。
「是」の字、すなわち「日の下の人」は天下人を意味する吉夢でした。
孫の家康は天下人となります。   

柳多留五二篇3丁

  

君子のあらそひも肌をぬいでする

「子曰、君子無所争。必也射乎。」(論語)
君子は争わないが「射」をすると。
弓ですが、まあ肌脱ぎになる点では普通の喧嘩と同じだと。   

  

破广弓をおもふ矢坪に産落し

「破广弓」は、破魔弓。男児に正月や初節句に贈ります。
「矢壺」は、矢を射る時に狙い定めるところ。(日本国語大辞典)
御妾が思惑通りに世継の男児を産んだと。
弓と矢坪は縁語。「思う壺」の洒落。   

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2017年6月13日 (火)

前足の屁て跡あしハ極難儀

前足の屁て跡あしハ極難儀

「極」は、ごく。
芝居の馬でしょう。
前足役の屁で後足役が難儀すると。   

  

前の屁がこもり跡足ァヽくさし

前句と同じ。   

  

馬ハ物かハとゑいかん淺からす

「叡感」(えいかん)は、天子が感心なさること。(日本国語大辞典)
「ものかは」は、物の数ではない。(日本国語大辞典)
道鏡の句。   

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2017年6月11日 (日)

かわらけもくどき落すと割レる也

かわらけもくどき落すと割レる也

「土器」(かわらけ)は、陰部に毛がはえない女性。 
「割る」は、処女を犯す意。(日本国語大辞典)
そのままのバレ。
土器(素焼きの陶器)を落とすと割れるの洒落。   

  

はへたかと豆のもやしをなぶる也

「豆」は、女陰。(日本国語大辞典)
これもそのままのバレ。   

  

物置キの土間で割込ム下女が色

「色」は、情事の相手、情夫または情婦。(日本国語大辞典)
下女と下男の密通でしょうか。   

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2017年6月 9日 (金)

鉄炮見世に鑄直しの玉斗

鉄炮見世に鑄直しの玉斗

「鉄砲見世」は吉原のおはぐろどぶに沿って東西の河岸に並んでいた最下級の切見世で、一切り百文。
「玉」は遊女の意。鉄砲の玉と掛けました。
「斗」は、ばかり。
鉄砲見世の遊女は、皆どこかの遊女屋から流れて来た遊女だと。
遊女の住み替えを鉄砲の玉の鑄直しと詠みました。   

  

五ッはられてさいかちの髪が出來

「さいかち虫」は、かぶと虫の異名ですが、子供の髪型の角髪(つのがみ)から子供の異名でもあります。
子供が何度もひっぱたかれてやっと髪が結えたというのでしょうか。
ただ、なんで五つなのかわかりません。
この句は宿題です。   

  

向ひ風娵うつかりとはづかしさ

「娵」は嫁で、古川柳ではこの字が使われます。
風で裾が、ということでしょうか。   

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2017年6月 7日 (水)

へら坊にうまいとほめるざつな客

へら坊にうまいとほめるざつな客

「べらぼう」は、むやみやたら、法外。(日本国語大辞典より)
食べ物屋でいいかげんな客がいいかげんに褒めるのでしょう。   

  

うろ覺へあわぢを崩しこまつてる

「淡路」は、「淡路結び」という檜扇の飾り糸の結び方。また、髪の結い方。(日本国語大辞典より)
水引きの結び方でもあるようです。
水引きの結び目をいたずらで緩めて戻せなくなったのでしょう。   

  

猫なでの姑に娵の鼠舞

「鼠舞」(ねずみまい)は、鼠が穴から出ようとしては引っこむようにぐずぐずすること。(日本国語大辞典より)
妙に優しい姑との距離のとりかたがわからず迷うお嫁さんでしょう。
猫と鼠の組み合わせ。   

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2017年6月 5日 (月)

湯の盤の銘に曰ク此ぬしさん

湯の盤の銘に曰ク此ぬしさん

「湯の盤」(とうのばん)は、殷の湯王が沐浴の盤に「苟日新、日日新、又日新」と刻み戒めとしたという故事に出てくるものです。(礼記・大学)
「湯の盤の銘に曰ク」までがその文句取りです。
「此ぬしさん」は、「此ぬし」と「さん」に分かれます。
おさんという下女の銭湯用の桶に、この持ち主(此ぬし)は「さん」であると書いてあるというのでしょう。   

  

匂ひぬる哉を一枚下女ハ取リ

「匂ひぬる哉」は、百人一首の「いにしへの奈良の都の八重ざくら今日九重に匂ひぬるかな」(伊勢大輔)でしょう。
古川柳の世界では、正月のカルタ取りは嫁が得意、下女や乳母は苦手というのがお約束です。
しかし、この札は特に取りやすいわけでもなさそうです。
単に「匂ひぬるかな」と言いたいだけの下女揶揄句かもしれません。
この句は宿題です。   

  

耳に沓口にはゑほし身に袷

「沓手鳥」(くつてどり)は、時鳥の異名です。
「烏帽子魚」は鰹の異名です。
ほととぎすの初音、初鰹、そして四月一日の更衣(綿入れの小袖から袷へ)と、四月はじめの風物を並べた句です。   

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2017年6月 3日 (土)

里の母女関羽で五月來る

里の母女関羽で五月來る

この句よくわかりませんでした。
男の子を産んだ娘のところへ、初節句に里の母親が幟の関羽のような格好で祝いにきたというのでしょうが、女関羽の意味が不明です。
髭が生えているわけはないので、お祝いにおもちゃの薙刀でも持ってきたのでしょうか。
この句は宿題です。   

  

同順に近付キでない百左衞門

「同順」は、毛氈の異称。(日本国語大辞典)
「百左衞門」は、百の、ここでは百桟敷の客の擬人化でしょう。
「百桟敷」は、料金が百文の芝居桟敷。(日本国語大辞典) 正面二階桟敷の最後方です。
毛氈を敷く高い客席にはご縁がない連中だと。   

柳多留五二篇2丁

  

言ィしほが悪く女房に聞干され

「潮」は、事をするのによい機会。
話すタイミングが悪くて、女房に事情を根掘り葉掘り訊かれたと。
女か金か、そういう関係のことでしょう。   

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2017年6月 1日 (木)

さううまく行はいゝがと吉田書キ

さううまく行はいゝがと吉田書キ

高師直が吉田兼好に恋文の代筆を頼んだが結局振られたという話を詠んだもの。
「そううまくいけばいいが・・・」といいながら代筆したと。   

  

出來立の髪へばらふの日が當リ

「散斑」(ばらふ)は、まばらな斑点。特に黒い斑点のあるべっこう。(日本国語大辞典)
鼈甲製の櫛あるいは簪のかげが結いたての日本髪に。
  

  

水溜リ柳絞リの風が吹き

「柳絞」は、絞り染めの一種。しだれ柳に似たやわらかい感じの細い線模様。(日本国語大辞典より)
雨上がりの水たまりに柳の葉が風に吹かれてかかる様子でしょうか。   

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2017年5月30日 (火)

下女御供春狂言も藏衣装

下女御供春狂言も藏衣装

「春狂言」は、新春の歌舞伎。曽我物。
「藏衣装」は、歌舞伎の興行主が薄給の下級俳優に貸した衣装。また、他人の衣装を借りて着ること。(日本国語大辞典より)
芝居見物に連れていってもらう下女も下級役者のように衣装を借りておめかし。   

  

仲の町空にしられぬ雪を植へ

「空知らぬ雪」は、風に舞う桜などの花びらのこと。(日本国語大辞典より)
吉原仲の町では三月に桜を植えます。   

  

明かぬはつ貧家の幕て金支へ

「貧家」は曽我兄弟の意でしょうか。
「金支」(かねづかえ)は、資金が足りなくなること。歌舞伎興行の資金不足にいうことが多いです。(日本国語大辞典より)
資金不足で曽我物の春狂言の幕が開けられないというのでしょう。
曽我の貧と興行主の資金不足を掛けています。   

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2017年5月28日 (日)

明キ手から煮へ湯ハ金吾中納言

明キ手から煮へ湯ハ金吾中納言

この句は疑問があります。
「明手」は、(盲人が杖を持つ右手に対しあいているほうの手の意から)左の手、左方。また、遊軍の意味があります。(日本国語大辞典より)
「金吾中納言」は、小早川秀秋。
関ヶ原の戦いで西軍の大谷吉隆(大谷刑部)は目が不自由でした。
西軍を裏切った小早川秀秋らを相手に奮戦するも自害します。
「明手」すなわち遊軍の小早川秀秋が裏切って大谷吉隆に煮え湯を呑ませたと。
ただ、大谷の陣の右手の松尾山から攻めたので、方向でいえば「明手」(左方)ではないのが疑問が残るところです。   

  

千鳥取るはごハにしきの陳羽織

「はご」は、鳥を捕える仕掛けの一つ。(日本国語大辞典)
石川五右衛門は秀吉の「千鳥の香炉」を錦の陣羽織で覆って盗もうとしますが、仙石権兵衛につまずいて捕まります。
「千鳥」の香炉なので、はごと表現しました。   

  

親のよく目かしらねとも持參金

「親の欲目」は、親は我が子を実際以上にひいき目に見ること。
持参金をつければなんとかなりそうと?   

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2017年5月26日 (金)

削る字の跡へ其文字書く才智

削る字の跡へ其文字書く才智

鸚鵡小町を題材にした句。
「雲の上はありし昔にかわらねど見し玉だれの内やゆかしき」に対し小野小町は「内ぞゆかしき」と一字だけ変えて返します。
「そ」の文字を書いたと。   

  

白式部ても書さうなものかたり

古川柳で物語というと多くは紫式部の源氏物語です。
源氏物語とは関係ありませんが、源平の源氏の旗は白なので、紫式部ならぬ白式部が書きそうだ、と洒落たのでしょう。   

  

雨漏リの遷都の供奉に娵ハ立チ

「娵」は、よめ。
ひな祭りなのですが、雨漏りしてしまいました。
あわてて雛人形と雛壇を移動させたのを「遷都」と洒落ました。   

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2017年5月20日 (土)

一ト声ハ鶴にも恥ぬ雲のうへ

柳多留五二篇1丁

一ト声ハ鶴にも恥ぬ雲のうへ

「雲の上」は、宮中。(日本国語大辞典)
源三位頼政は紫宸殿で鵺退治をして獅子王という剣を下賜される時ほととぎすが鳴き「時鳥名をも雲井にあぐるかな」に「弓張月のいるにまかせて」とつけて名を上げました。
そのことを詠んだ句のようです。
「鶴の一声」(権威者の一言)を掛けています。
   射人の名も雲井に上る時鳥 三八・37   

  

おもしろく敵をあさむく撥と爪

三味線(撥)の御妾対琴(爪)の奥様の戦い。   

  

雜煮も喰ハす御用心〳〵

一休は正月に杖に髑髏をつけて御用心御用心と言って歩いたそうです。
そのことを詠んでいます。   

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2017年5月17日 (水)

いつ見ても壁土番所すたを切リ

いつ見ても壁土番所すたを切リ

この句よくわかりませんでした。
「すた」は、すさ。壁土に混ぜてひび割れを防ぐ繊維質の材料。(日本国語大辞典) 藁を刻んだものなどです。
「壁土番所」が不明。
番所ですさを切っているというのが何かの洒落になるのでしょうが。
この句は宿題です。   

  

はやひ所ロがそれよしか五兩だわ

「所ロ」は、ところ。
「はやい所」は、すばやく、てばやく、はやめに。(日本国語大辞典)
五両は古川柳では間男の示談金です。
「それよしか」が不明。それよりか、くらいの意味なのでしょうか。
美人局の亭主が、しのごのいわずにさっさと五両出せといっているのでしょうか。   

  

あれで又小町こいつかあらふなら

小野小町が夫婦関係ができたならさらにもてただろうと。   

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2017年5月15日 (月)

御不勝手障子ぶてどもたゝけとも

柳多留五一篇37丁

御不勝手障子ぶてどもたゝけとも

「御不勝手」は、武家の貧乏のこと。
御屋敷が本当に傾いて建てつけが悪くなり、障子が動かないと。   

  

たんすから炭が出ルとハおもわれズ

古川柳では花魁は立派な箪笥を持っていますが、実は貧乏で中は空に近いことになっています。
開けてみたら炭入れになっていて、客が驚くというのでしょう。   

  

傾城の屏風ハ夜具と大違ひ

「夜具」は掻巻・蒲団の類ですが、ここでは三蒲団のこと。
吉原の花魁は馴染み客に三蒲団という高価な蒲団を作らせます。
豪華な蒲団に比べると屏風は貧相だと。
   おいらんの屏風ハ夜具とふつり合ィ 一〇二・12   

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2017年5月13日 (土)

かまぼこを帶へはさんで下りんす

序と切リハ三河太夫に伊勢太夫

   35丁既出句   

  

かまぼこを帶へはさんで下りんす

「下りんす」は、さがりんす。下がりますの吉原語でしょう。
   ほうばつて置ィて禿ハ下リんす 三・22
という類句もあります。
吉原遊郭の二階から仕出しの食べ物である「台の物」の食べたあとの台を下げる時、禿(かむろ)が若い者(遊郭の従業員)を呼びます。
その時に禿か新造が、残っていた蒲鉾をくすねるという場面です。   

  

衣川茶臼に哥をよんた所コ

   35丁既出句   

  

朝歸下女おはむきにつんとする

「御歯向」(おはむき)は、へつらうこと、ごきげん取り。(日本国語大辞典より)
下女は女房の味方です。(少なくとも表向きは。)
吉原から朝帰りして来て裏から家に入ろうとする主人に、下女が冷たい態度をとります。
ひょっとしたらこの下女は実は主人と怪しい関係なのかもしれませんが。   

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2017年5月11日 (木)

さし様の指南して貸ス破レ傘

さし様の指南して貸ス破レ傘

にわか雨で傘を貸してくれといわれ、破れ傘を貸します。
こうさせば濡れませんと指南して貸します。   

  

万歳主従こけおしの強ひやつ

「万歳主従」は三河万歳の太夫と才蔵でしょう。
「こけおし」の後が不明です。類句もありません。
「虚仮」(こけ)は、やたらにするさまをけなしていう語。(日本国語大辞典より)
「押しが強い」の強調でしょうか。
まあ、そういう芸風なのでしょう。   

  

牛か渕のろ〳〵歩行叱られる

「歩行」は、あるき。
田安門東側のお堀が牛ヶ渕。
牛のようにのろのろあるいていると番人に怒られると。   

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2017年5月 8日 (月)

木に竹をついでわかゝる聾同士

木に竹をついでわかゝる聾同士

「木に竹を接ぐ」は、前後のつじつまが合わないこと。(日本国語大辞典)
この時代、手話もなかったので。   

  

輕卒を四人リ連レて息子出ル

この句よくわかりませんでした。
「軽卒」は、身軽な服装をした兵士、足軽や雑兵など身分の低い兵士。(日本国語大辞典)
息子は放蕩息子とだいたい決まっているので、連れ立って吉原へ行くのでしょう。
古川柳で四人は蹴鞠や蹴鞠くずれのことが多いのですが、本人と合わせて五人になってしまうので、何だかわかりませんし、軽卒も何を指しているのかはっきりしません。
「軽率」と洒落ているのかもしれませんが。
この句は宿題です。   

  

此返答に行キくれし夜具の事

「行くれて木の下かげを宿とせば花やこよひの主ならまし」(平忠度)の文句取り。
「行き暮れる」は、歩き続けていくうちに日が暮れる意。(日本国語大辞典)
「夜具」は掻巻・蒲団の類(日本国語大辞典)ですが、ここでは吉原の三蒲団のことと思われます。
   夜具のこと今夜いやれと姉女郎 明四梅3
   敷そめの夜具天井へもふちつと 一三・1
吉原の花魁は馴染み客に三蒲団という高級蒲団を作らせようとします。五十両はしようかという高価なものです。
花魁に三蒲団をせがまれて返答に往生したという句でしょうか。   

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